ハードボイルドへようこそ featuring 「For Whom are Teeth Pulled?」 by PULLING TEETH

6/07/2024

t f B! P L

 




大した知識もなく、購入してみた。


メンバー写真。すんごいイカつい。


全身刺青だらけのむくつけき男達。


しかもベーシストはウッドベース。


…あれ?メタルバンドだよな?ロカビリーと違う?
でもタイトルはMETALLICAのパクリやし…。
まあ聴いてみっかぁ。と大した期待もせずプレイヤーに突っ込む。


度肝を抜かれた。


マカロニウエスタンなんである。

そして徹頭徹尾ハードボイルド。

気分はもう荒野の用心棒ジャンゴ。


男とはどう有るべきか?
背中をどう見せるべきか?
勝ち目のない戦いに挑むべきか?
男はどう死ぬべきか?




まるでテンガロンハットの見知らぬガンマンが最低限の言葉でこう問いかけてくるような、全く飽きる事の無い40分弱。



ギター・ベース・ドラムのみの最低限編成トリオにも関わらず、これだけの音世界を練り上げたことに驚愕した。


そしてこの荒野と砂埃と銃弾が支配するような世界観を体臭レベルで実現するアンサンブルの充実ぶりといったら。


そこかしこにロカビリー風味…とりわけSTRAY CATSの影響が垣間見える("Peace"なんてモロ)が、作品全体に漂う男臭さの演出に一役買っており、全く違和感なく溶け込んでいる。


中でもインスト曲"coffin"の、どこか日本人に馴染みのある(和風、ではなく)非常に音楽的で堂に入ったメロディは、刑事ドラマのサントラに入れて欲しい程に唸らされた。見た目の極悪さに反してこのバンド、インストだけでも充分やってけるんじゃないかと思う。

バンバン撃ちまくって突撃!命捨てがまるは今ぞ!みたいなオツムの弱い駅馬車強盗ではなく、酸いも甘いも知り尽くし、押し引き駆け引きを嗜む老獪な超一流のヒットマン…の様な風情をこの作品には感じる。


日本人の感性と異国の映画的情緒とハードコアメタルのコラボがここまで味わい深くなるとは誰が想像しただろうか?

残念ながら次作「THRASH CATS」ではマカロニウエスタン風味は無くなってしまったが、女人禁制の無頼っぷりは健在。



後にも先にも、世界に一枚しかない音楽。
聴くべし!!



人気ブログランキング
人気ブログランキング

アーカイブ

ハードロック・ヘヴィーメタルランキング
人気ブログランキング

最新記事

QooQ